薬と糖質制限で症状が劇的に良くなる
糖尿病は怖い病気ですが、改善可能です。
私は今まで多くの糖尿病患者さん・糖尿病予備群の方の運動指導に関わってきました。
最近は薬も良くなってきています。薬だけで血糖コントロールが出来てしまうケースも多いですよね。
また、糖質制限など食事を工夫すると劇的に数値が良くなる人も多いです。
運動しなくても薬と食事でよくなるなら「それがいい!」って飛びつきたくなる気持ちもよくわかります。
運動なしの糖尿病治療は不安定な綱渡り状態です。
「良くなるならいいじゃないか」って思いますよね。…でも症状の安定が非常に難しいのです。
理由は糖代謝の土台が不安定だからです。
運動なしの糖尿病治療は医者次第!
薬の処方はお医者さんの腕にかかっています。詳細にデータを調べて経過と個人のTypeを見極めて薬を処方する経験と感が必要です。
高齢で足が痛くて運動できない方も増えてきています。
こちらからの情報提供も大切です。食事はこの位の量を食べています。食事時間の情報提供も大切ですね。
最近はお医者さんも勉強をしない人が増えています。少なくとも糖尿病の専門医の資格を持っている病院に行きましょう!また、問診の時間が極端に短い医者も要注意です。
個人の生活を見極めないと正しい処方は出来ません。
私達も糖尿病に対して知識を持って、納得した治療を受けることはとても重要ですね。
まず、糖尿病を勉強してみましょう!
自分の病の知識は絶対に知っておいたほうがいいですよ。
わかりやすく簡単に説明しますね。
血糖について
私達が活動するのに絶対的に必要なエネルギー源です。
非常に狭い範囲でバランスを保たれています。空腹時は(80-100mg/dL)が正常値です。…ですが高濃度になると「毒になります」糖毒性といいます。糖化反応を引き起こし微小血管に障害を与え生体に有害となります。慢性的な高濃度の血糖状態を糖尿病といいます。
血糖低下唯一のホルモン!インスリンについて
よく聞く言葉だと思いますが、まずは「インスリン」です。
膵臓から放出されるホルモンです。
インスリンの知識で絶対的に知っておいてほしいのは血糖値を下げる働きを持つホルモンはインスリンのみです!
図のように血糖値を上昇させるホルモンは何個もありますが、反対に血糖値を下げるホルモンはインスリンのみです。
当たり前?なぜ糖尿病になるの?
糖尿病には遺伝も大きく関係します。
- インスリン分泌の遺伝子異常
- インスリン感受性の遺伝子異常
遺伝なので防ぎようがないですね。
改善できるのは「環境因子」です。
- 肥満
- 過食
- 高脂肪食
- 運動不足
- ストレス
- 加齢 等
またの機会にお伝えしていきますが、肥満の方の脂肪細胞は悪いものをたくさん出します。TNF-αやレジスチンと呼ばれるホルモンはインスリンの効きが悪くなる物質を排出しますし、PAI-1は血栓形成されやすくなり脳梗塞・心筋梗塞のリスクが上がります。血圧が上がりやすくなる物質も出ますね。
反対に痩せている方の脂肪細胞は痩せるホルモン「レプチン」がでます。食欲調節(抑制)や脂肪分解に働く素晴らしいホルモンです!運動によりレプチンの増加とレプチン受容体の活動が増進することもわかっていますよ。
わかりやすい糖尿病の病態
人間の正常な身体は食事を食べると、血糖値が上がります。即座に身体が反応してインスリンというホルモンを放出すると血糖が細胞に取り込まれてエネルギーとなります。
出典元:日本糖尿病学会
糖尿病には大きく分けてインスリン抵抗性亢進とインスリン分泌障害の2つの原因が主です。両方の原因をお持ちの方も多いです。
インスリン抵抗性亢進
糖尿病初期には細胞が血糖を取り込むことが難しくなってきます。
肥満(白色)脂肪細胞からTNF-αという邪魔者が出てきて、インスリンが血糖を取り込む仕事を邪魔してきます。
身体はインスリンをもっともっと沢山だして対応します。
インスリンはたくさん出ているが、細胞の血糖取り込みが低下している状態です。
食後に運動すると:運動することにより筋肉等で糖が使われます。すると血糖の取り込みが改善してきます。
食後の運動を継続すると:肥満(白色)脂肪細胞からでるTNF-αという邪魔者が減っていき、糖代謝の土台が改善していきます。
食後に運動すると⇒食後の血糖値が低下する⇒継続すると大元の糖代謝が改善する⇒糖尿病が改善する!
ということですね。
しかし、糖尿病で長いこと血糖コントロールが悪い状態だとインスリン分泌障害になってきます。
インスリン分泌障害
長いことインスリン抵抗性亢進の状態だと、血糖は常に高いままになってきます。血糖は高濃度だと糖毒性といい全身の代謝状態に関わってきます。するとインスリンも沢山出し続けるのが難しくなり、インスリン分泌低下の状態になってしまします。
高血糖⇒組織(筋・肝・脂肪等)のインスリン抵抗性増大⇒更なる高血糖⇒インスリン分泌低下⇒更なる高血糖
の悪循環になりますね。
今までの経験からするとこの状態まで来ているケースが凄く多いです。初期の糖尿病であれば運動の効果が早く出てきますが、インスリン分泌低下の状態の方は2週間以上のの運動継続で効果が出てくることが多いです。
運動すると何故良くなるの?
- インスリン感受性改善(インスリンの効きが良くなる!少しの量で血糖が下げれる。)
- 肥満の改善(TNF-α等の邪魔者が減る⇒代わりにレプチン痩せるホルモンが増加)
- 筋肉で糖が使われるので血糖が減少(インスリンの効きも良くなるのでダブルで効果あり)
- 糖の利用促進
- 血糖値低下
- 糖毒性の軽減
- インスリン分泌能の回復
運動することでインスリンが働きやすい環境になる ⇒ すなわち……良くなります!
あなたの症状が良くなること、日常生活を健やかに過ごして頂ける様に応援します。
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頑張ってくださいね!
参考文献:糖尿病診療ガイドライン2016